「第3の節約」とは?我慢しない節約が主流になった理由
※本記事内の写真・画像はすべてイメージです。
✅ この記事の結論
- 「第3の節約」とは、我慢せずに支出を減らすという考え方です
- 背景には、節約疲れと物価高の長期化があります
- 大事なのは削る額ではなく、満足度を下げずに減らせるか
「今月こそ節約しよう」
そう決めて、飲み物を買うのをやめ、外食を減らし、コンビニを我慢する。
そして3週間目くらいで、限界が来る。
反動でまとめ買いをしてしまい、結局は元に戻る。
この繰り返しに心当たりはありませんか。
いま注目されているのは、そのやり方をやめようという考え方です。
💡 「第3の節約」とは何か
日経トレンディが2026年上半期のヒット商品を分析した際、消費者の意識変化を表すキーワードとして「第3の節約」が挙げられました。
あわせて、こんな言葉も出ています。
- マイクロストレス解消
- 逃避購買
- リセット消費
- 友達未満孤独以上
節約と、ストレス解消のための消費。この2つが同時に語られているのが、いまの特徴です。
第1・第2との違い
「第3」というからには、その前があります。整理するとこうなります。

第1は「我慢する節約」でした。買わない、行かない、使わない。効果は出ますが、続きません。
第2は「安く買う節約」です。特売を追い、店をはしごし、ポイントを集める。効果はありますが、時間と手間を払い続ける必要があります。
第3は「満足度を下げずに減らす節約」です。がんばる量を増やすのではなく、支出の構造を変えるという発想です。
🔍 なぜ今この考え方なのか
理由は2つあります。
理由1|節約疲れ
物価高はもう数年続いています。
短期決戦なら我慢できますが、終わりが見えない戦いに我慢は通用しません。
ダイエットと同じです。1か月なら耐えられても、3年間ずっと我慢し続けるのは無理があります。
理由2|削る余地が減った
すでに多くの家庭が、削れるところを削ってきました。
もう「無駄遣い」はあまり残っていないという状態です。
そこからさらに削ろうとすると、生活の質そのものに手を付けることになります。だから、別のアプローチが必要になったわけです。
🔹 「満足度の低い支出」を見つける
第3の節約でいちばん大事なのが、この考え方です。
支出は2種類ある
同じ1,000円でも、中身は違います。
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 満足度の高い支出 | 好きなカフェの時間、趣味の道具、家族との外食 |
| 満足度の低い支出 | なんとなく入ったコンビニ、使っていないサブスク、惰性の飲み会 |
節約すべきは、後者だけです。
前者を削ると、生活から楽しみが消えて、結局続きません。
見つけ方
先月のカード明細と、決済アプリの履歴を見てください。
そして、それぞれにこう問いかけます。
「これを使ったとき、満足した?」
判断は3つに分けます。
- 満足した → 残す
- どちらでもない → 減らす候補
- 覚えていない → これが最優先の削減対象
「覚えていない支出」は、満足度がゼロだった支出です。
削っても、何も失いません。
意外と多い「覚えていない支出」
実際に明細を見ると、こんなものが出てきます。
- 使っていないサブスク
- コンビニでの少額決済(1回400円が、月に20回で8,000円)
- 惰性で続けている定期購入
- 何を買ったか思い出せないネット注文
月に1万円分くらいは、たいてい見つかります。
🔹 「逃避消費」とどう付き合うか
ここが、この記事のもうひとつのポイントです。
節約の話をすると、「ストレス解消のための買い物はどうするのか」という問題が出てきます。
ストレス消費は悪ではない
疲れた日にコンビニでアイスを買う。イライラした日に通販でポチる。
これを全部やめようとすると、たいてい失敗します。
なぜなら、その支出にはストレスを下げるという役割があるからです。ここを無理に断つと、別のところで反動が出ます。
「枠」を作る
現実的なのは、やめることではなく、枠を決めることです。
たとえば、月5,000円を「気晴らし費」として最初から確保する。
この中で使う分には、罪悪感を持たなくていい。かわりに、超えたら翌月に回す。
罪悪感を持ちながら使うのが、いちばん良くありません。 満足度も下がるし、記録もつけなくなります。
買い物の前に一晩置く
高額なものについては、「カートに入れて一晩置く」だけで支出が減ります。
翌朝も欲しければ買う。忘れていたら、それは必要なかったということです。
🔹 続かない節約の共通点
失敗パターンには、いくつか型があります。
型1|全部を同時に変えようとする
食費も、通信費も、保険も、サブスクも。
一度に全部やると、必ず挫折します。
1か月に1つでいいので、順番にやってください。
型2|記録することが目的になる
家計簿アプリを入れて、細かく分類して、グラフを眺めて満足する。
でも、支出は減っていない。
記録は手段です。「どこを削るか決めるため」に見るものであって、つけること自体には価値がありません。
型3|1円単位で追いかける
10円安い卵のために、別のスーパーへ行く。
その移動時間とガソリン代を計算すると、多くの場合は損をしています。
金額の大きいところから手を付けるのが原則です。
型4|家族に共有していない
自分だけが節約していて、家族は知らない。
これはうまくいきません。 そして、たいてい不満がたまります。
「何のために」を共有することが、実は一番効きます。
🔹 今日から試せる3つのこと
1|サブスクの棚卸し(所要15分)
スマホの「サブスクリプション」の設定画面を開いてください。
iPhoneなら設定 → 自分の名前 → サブスクリプション。
Androidなら、Google Play の定期購入から確認できます。
この15分で、月に数千円見つかる人は珍しくありません。
2|「覚えていない支出」を探す(所要20分)
先月のカード明細を見て、思い出せない項目に印をつけるだけです。
来月は、その項目に注意が向くようになります。
3|気晴らし費の枠を決める(所要5分)
月にいくらまでなら罪悪感なく使えるか、決めてください。
この枠があるだけで、無駄な自己嫌悪が減ります。
🔹 3人の見直し例
考え方だけだとイメージしにくいので、具体例で見てみます。
Aさん(35歳・共働き)|サブスクを整理した
明細を見て気づいたこと
- 動画配信サービスを3つ契約していた(実際に見ているのは1つ)
- 音楽サービスが、家族プランと個人プランで重複
- 半年前に試した学習アプリが、そのまま課金され続けていた
結果:月4,200円の削減
Aさんの感想:「解約しても、生活は何も変わらなかった」
Bさん(42歳・4人家族)|コンビニの回数を数えた
節約しようと食費を削っていましたが、続きませんでした。
そこで、支出の記録を見返したところ
- コンビニでの少額決済が、月に24回
- 1回あたり平均420円
- 合計で月約1万円
「そんなに行っていたのか」と驚いたそうです。
やったこと:やめるのではなく、「週3回まで」と決めた。
結果:月4,000円ほどの削減
Bさんの感想:「ゼロにしようとしたら絶対続かなかった。回数を決めたのがよかった」
Cさん(38歳・一人暮らし)|気晴らし費の枠を作った
ストレスがたまると、夜に通販でまとめ買いをしてしまう癖がありました。
やったこと:月8,000円を「気晴らし費」として最初から確保。
超えたら翌月に回すルールにしました。
結果:月2万円近くあった衝動買いが、8,000円前後に
Cさんの感想:「我慢するより、使っていい枠を決めたほうが減った」
3人に共通すること
誰も「我慢」していません。
- Aさんは、使っていないものを切っただけ
- Bさんは、ゼロではなく回数を決めた
- Cさんは、枠を作って罪悪感をなくした
これが第3の節約の考え方です。
🔹 支出を3つに仕分けする
第3の節約を実践するとき、いちばん役に立つのがこの仕分けです。

やり方
先月のカード明細を印刷するか、画面に出してください。
そして、1件ずつ3色に分けます。緑・黄・赤の付箋でも、マーカーでもかまいません。
所要時間は20分ほどです。
やってみるとわかること
多くの人が驚くのは、赤(覚えていない)の合計額です。
月に1万円前後になることも珍しくありません。
そして、この1万円を削っても、生活は何も変わりません。
だから続くのです。
🔹 「第3の節約」を1か月で試す
考え方を知っても、行動しなければ変わりません。
4週間の進め方を示します。
1週目|見る
先月のカード明細と、決済アプリの履歴を開くだけ。
そして、「覚えていない支出」に印をつけます。
この週は、何も減らさなくて構いません。
2週目|1つ止める
印をつけた中から、いちばん納得できるものを1つだけやめます。
使っていないサブスク、惰性の定期購入など。
1つでいいのです。 複数やると挫折します。
3週目|枠を決める
気晴らし費の上限を決めます。
金額は、これまで実際に使っていた額から少し下げる程度に。
4週目|振り返る
- 何か困ったことがあったか
- 満足度は下がったか
- いくら減ったか
「困らなかった」なら、それは削って正解だった支出です。
この4週間でわかること
多くの人が気づくのは、減らしても生活が変わらなかったという事実です。
我慢していないから、変わらない。 それが第3の節約の考え方です。
🔹 あわせて読みたい
節約を「我慢」にしないための、具体的な実践例です。
❓ よくある質問
Q. 第3の節約は、誰が言い始めた言葉ですか?
消費トレンドを分析するなかで使われるようになった表現で、学術的な定義があるわけではありません。
「我慢に頼らない節約」という考え方を指す言葉として理解しておけば十分です。
Q. どれくらい減らせますか?
家庭によりますが、固定費とサブスクの見直しだけで月5,000〜1万円というのは、よくある範囲です。
Q. 節約より収入を増やすほうがいいのでは?
どちらも有効ですが、節約は今日から始められて、効果が確実という利点があります。
固定費を月5,000円減らせば、年6万円。これを収入で作るには、手取りベースでそれ以上の増加が必要です。
Q. 家族が協力してくれません。
「節約して」と伝えるより、「何のために」を先に共有してみてください。
旅行、教育費、老後の備え。目的があると、協力は得やすくなります。
Q. どこから手を付けるべきですか?
金額が大きく、一度決めれば効果が続くものからです。具体的には、通信費、保険、サブスク、そして電気・ガスの契約です。
📝 まとめ
- ✅ 「第3の節約」とは、我慢せず、満足度を下げずに支出を減らす考え方
- ✅ 背景には、節約疲れと削る余地が減ったことがある
- ✅ 削るべきは、「覚えていない支出」から
- ✅ ストレス解消の消費は、やめるのではなく枠を決める
- ✅ 失敗の型は、全部同時にやる・記録が目的化する・1円を追う・家族に共有しない
まず今日、15分だけ時間を取ってください。
スマホのサブスク一覧を開く。それだけです。
そこに、我慢しなくても減らせるお金が眠っているかもしれません。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の家計の判断については、必要に応じて専門家にご相談ください。
📚 参考文献・出典
- 帝国データバンク「食品主要195社 価格改定動向調査」
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260602-neage06press/ - 総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」
https://www.stat.go.jp/data/cpi/index.html - 日経BP「日経トレンディ 上半期ヒット大賞・下半期ブレイク予測」
https://www.nikkeibp.co.jp/atcl/newsrelease/corp/20260502/


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