「第3の節約」とは?我慢しない節約が主流になった理由

⑨ トレンドから学ぶ

「第3の節約」とは?我慢しない節約が主流になった理由

※本記事内の写真・画像はすべてイメージです。

✅ この記事の結論

  • 「第3の節約」とは、我慢せずに支出を減らすという考え方です
  • 背景には、節約疲れ物価高の長期化があります
  • 大事なのは削る額ではなく、満足度を下げずに減らせるか

「今月こそ節約しよう」

そう決めて、飲み物を買うのをやめ、外食を減らし、コンビニを我慢する。

そして3週間目くらいで、限界が来る。

反動でまとめ買いをしてしまい、結局は元に戻る。

この繰り返しに心当たりはありませんか。

いま注目されているのは、そのやり方をやめようという考え方です。

💡 「第3の節約」とは何か

日経トレンディが2026年上半期のヒット商品を分析した際、消費者の意識変化を表すキーワードとして「第3の節約」が挙げられました。

あわせて、こんな言葉も出ています。

  • マイクロストレス解消
  • 逃避購買
  • リセット消費
  • 友達未満孤独以上

節約と、ストレス解消のための消費。この2つが同時に語られているのが、いまの特徴です。

第1・第2との違い

「第3」というからには、その前があります。整理するとこうなります。

第1は「我慢する節約」でした。買わない、行かない、使わない。効果は出ますが、続きません。

第2は「安く買う節約」です。特売を追い、店をはしごし、ポイントを集める。効果はありますが、時間と手間を払い続ける必要があります。

第3は「満足度を下げずに減らす節約」です。がんばる量を増やすのではなく、支出の構造を変えるという発想です。

🔍 なぜ今この考え方なのか

理由は2つあります。

理由1|節約疲れ

物価高はもう数年続いています。

短期決戦なら我慢できますが、終わりが見えない戦いに我慢は通用しません。

ダイエットと同じです。1か月なら耐えられても、3年間ずっと我慢し続けるのは無理があります。

理由2|削る余地が減った

すでに多くの家庭が、削れるところを削ってきました。

もう「無駄遣い」はあまり残っていないという状態です。

そこからさらに削ろうとすると、生活の質そのものに手を付けることになります。だから、別のアプローチが必要になったわけです。

🔹 「満足度の低い支出」を見つける

第3の節約でいちばん大事なのが、この考え方です。

支出は2種類ある

同じ1,000円でも、中身は違います。

種類
満足度の高い支出好きなカフェの時間、趣味の道具、家族との外食
満足度の低い支出なんとなく入ったコンビニ、使っていないサブスク、惰性の飲み会

節約すべきは、後者だけです。

前者を削ると、生活から楽しみが消えて、結局続きません。

見つけ方

先月のカード明細と、決済アプリの履歴を見てください。

そして、それぞれにこう問いかけます。

「これを使ったとき、満足した?」

判断は3つに分けます。

  • 満足した → 残す
  • どちらでもない → 減らす候補
  • 覚えていないこれが最優先の削減対象

「覚えていない支出」は、満足度がゼロだった支出です。

削っても、何も失いません。

意外と多い「覚えていない支出」

実際に明細を見ると、こんなものが出てきます。

  • 使っていないサブスク
  • コンビニでの少額決済(1回400円が、月に20回で8,000円)
  • 惰性で続けている定期購入
  • 何を買ったか思い出せないネット注文

月に1万円分くらいは、たいてい見つかります。

🔹 「逃避消費」とどう付き合うか

ここが、この記事のもうひとつのポイントです。

節約の話をすると、「ストレス解消のための買い物はどうするのか」という問題が出てきます。

ストレス消費は悪ではない

疲れた日にコンビニでアイスを買う。イライラした日に通販でポチる。

これを全部やめようとすると、たいてい失敗します。

なぜなら、その支出にはストレスを下げるという役割があるからです。ここを無理に断つと、別のところで反動が出ます。

「枠」を作る

現実的なのは、やめることではなく、枠を決めることです。

たとえば、月5,000円を「気晴らし費」として最初から確保する。

この中で使う分には、罪悪感を持たなくていい。かわりに、超えたら翌月に回す。

罪悪感を持ちながら使うのが、いちばん良くありません。 満足度も下がるし、記録もつけなくなります。

買い物の前に一晩置く

高額なものについては、「カートに入れて一晩置く」だけで支出が減ります。

翌朝も欲しければ買う。忘れていたら、それは必要なかったということです。

🔹 続かない節約の共通点

失敗パターンには、いくつか型があります。

型1|全部を同時に変えようとする

食費も、通信費も、保険も、サブスクも。

一度に全部やると、必ず挫折します。

1か月に1つでいいので、順番にやってください。

型2|記録することが目的になる

家計簿アプリを入れて、細かく分類して、グラフを眺めて満足する。

でも、支出は減っていない。

記録は手段です。「どこを削るか決めるため」に見るものであって、つけること自体には価値がありません。

型3|1円単位で追いかける

10円安い卵のために、別のスーパーへ行く。

その移動時間とガソリン代を計算すると、多くの場合は損をしています。

金額の大きいところから手を付けるのが原則です。

型4|家族に共有していない

自分だけが節約していて、家族は知らない。

これはうまくいきません。 そして、たいてい不満がたまります。

「何のために」を共有することが、実は一番効きます。

🔹 今日から試せる3つのこと

1|サブスクの棚卸し(所要15分)

スマホの「サブスクリプション」の設定画面を開いてください。

iPhoneなら設定 → 自分の名前 → サブスクリプション。

Androidなら、Google Play の定期購入から確認できます。

この15分で、月に数千円見つかる人は珍しくありません。

2|「覚えていない支出」を探す(所要20分)

先月のカード明細を見て、思い出せない項目に印をつけるだけです。

来月は、その項目に注意が向くようになります。

3|気晴らし費の枠を決める(所要5分)

月にいくらまでなら罪悪感なく使えるか、決めてください。

この枠があるだけで、無駄な自己嫌悪が減ります。

🔹 3人の見直し例

考え方だけだとイメージしにくいので、具体例で見てみます。

Aさん(35歳・共働き)|サブスクを整理した

明細を見て気づいたこと

  • 動画配信サービスを3つ契約していた(実際に見ているのは1つ)
  • 音楽サービスが、家族プランと個人プランで重複
  • 半年前に試した学習アプリが、そのまま課金され続けていた

結果:月4,200円の削減

Aさんの感想:「解約しても、生活は何も変わらなかった」

Bさん(42歳・4人家族)|コンビニの回数を数えた

節約しようと食費を削っていましたが、続きませんでした。

そこで、支出の記録を見返したところ

  • コンビニでの少額決済が、月に24回
  • 1回あたり平均420円
  • 合計で月約1万円

「そんなに行っていたのか」と驚いたそうです。

やったこと:やめるのではなく、「週3回まで」と決めた

結果:月4,000円ほどの削減

Bさんの感想:「ゼロにしようとしたら絶対続かなかった。回数を決めたのがよかった」

Cさん(38歳・一人暮らし)|気晴らし費の枠を作った

ストレスがたまると、夜に通販でまとめ買いをしてしまう癖がありました。

やったこと:月8,000円を「気晴らし費」として最初から確保。

超えたら翌月に回すルールにしました。

結果:月2万円近くあった衝動買いが、8,000円前後に

Cさんの感想:「我慢するより、使っていい枠を決めたほうが減った」

3人に共通すること

誰も「我慢」していません。

  • Aさんは、使っていないものを切っただけ
  • Bさんは、ゼロではなく回数を決めた
  • Cさんは、枠を作って罪悪感をなくした

これが第3の節約の考え方です。

🔹 支出を3つに仕分けする

第3の節約を実践するとき、いちばん役に立つのがこの仕分けです。

やり方

先月のカード明細を印刷するか、画面に出してください。

そして、1件ずつ3色に分けます。緑・黄・赤の付箋でも、マーカーでもかまいません。

所要時間は20分ほどです。

やってみるとわかること

多くの人が驚くのは、赤(覚えていない)の合計額です。

月に1万円前後になることも珍しくありません。

そして、この1万円を削っても、生活は何も変わりません。

だから続くのです。

🔹 「第3の節約」を1か月で試す

考え方を知っても、行動しなければ変わりません。

4週間の進め方を示します。

1週目|見る

先月のカード明細と、決済アプリの履歴を開くだけ。

そして、「覚えていない支出」に印をつけます。

この週は、何も減らさなくて構いません。

2週目|1つ止める

印をつけた中から、いちばん納得できるものを1つだけやめます。

使っていないサブスク、惰性の定期購入など。

1つでいいのです。 複数やると挫折します。

3週目|枠を決める

気晴らし費の上限を決めます。

金額は、これまで実際に使っていた額から少し下げる程度に。

4週目|振り返る

  • 何か困ったことがあったか
  • 満足度は下がったか
  • いくら減ったか

「困らなかった」なら、それは削って正解だった支出です。

この4週間でわかること

多くの人が気づくのは、減らしても生活が変わらなかったという事実です。

我慢していないから、変わらない。 それが第3の節約の考え方です。

🔹 あわせて読みたい

節約を「我慢」にしないための、具体的な実践例です。

❓ よくある質問

Q. 第3の節約は、誰が言い始めた言葉ですか?

消費トレンドを分析するなかで使われるようになった表現で、学術的な定義があるわけではありません。

「我慢に頼らない節約」という考え方を指す言葉として理解しておけば十分です。

Q. どれくらい減らせますか?

家庭によりますが、固定費とサブスクの見直しだけで月5,000〜1万円というのは、よくある範囲です。

Q. 節約より収入を増やすほうがいいのでは?

どちらも有効ですが、節約は今日から始められて、効果が確実という利点があります。

固定費を月5,000円減らせば、年6万円。これを収入で作るには、手取りベースでそれ以上の増加が必要です。

Q. 家族が協力してくれません。

「節約して」と伝えるより、「何のために」を先に共有してみてください。

旅行、教育費、老後の備え。目的があると、協力は得やすくなります。

Q. どこから手を付けるべきですか?

金額が大きく、一度決めれば効果が続くものからです。具体的には、通信費、保険、サブスク、そして電気・ガスの契約です。

📝 まとめ

  • ✅ 「第3の節約」とは、我慢せず、満足度を下げずに支出を減らす考え方
  • ✅ 背景には、節約疲れ削る余地が減ったことがある
  • ✅ 削るべきは、「覚えていない支出」から
  • ✅ ストレス解消の消費は、やめるのではなく枠を決める
  • ✅ 失敗の型は、全部同時にやる・記録が目的化する・1円を追う・家族に共有しない

まず今日、15分だけ時間を取ってください。

スマホのサブスク一覧を開く。それだけです。

そこに、我慢しなくても減らせるお金が眠っているかもしれません。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の家計の判断については、必要に応じて専門家にご相談ください。

📚 参考文献・出典

  1. 帝国データバンク「食品主要195社 価格改定動向調査」
    https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260602-neage06press/
  2. 総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」
    https://www.stat.go.jp/data/cpi/index.html
  3. 日経BP「日経トレンディ 上半期ヒット大賞・下半期ブレイク予測」
    https://www.nikkeibp.co.jp/atcl/newsrelease/corp/20260502/

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