睡眠時無呼吸症候群の症状と原因|セルフチェックリスト付き
✅ この記事の結論
- 寝ている間に気道がふさがって、呼吸が止まる状態です
- 本人はほとんど気づきません。家族の指摘が手がかりになります
- 太っている人だけの病気ではありません。あごの形なども関係します
「毎晩7時間寝ているのに、日中どうしようもなく眠い」 「家族に、いびきがうるさいと言われる」 「朝起きたとき、のどがカラカラ」
このどれかに当てはまるなら、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
この病気の厄介なところは、本人がまったく自覚できないことです。
「自分は毎晩ぐっすり眠っている」と思っている人ほど、注意が必要です。
この記事では、症状と原因、そしてセルフチェックの方法を説明します。
🔹 どんな病気なのか
睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている間に、呼吸が止まったり浅くなったりを繰り返す状態です。
何が起きているのか

眠ると、のどの周りの筋肉がゆるみます。
すると、舌やのどの組織が落ち込んで、空気の通り道がせまくなります。
- せまくなった通り道を空気が通る → いびき
- 完全にふさがる → 呼吸が止まる
呼吸が止まると、体は「息をしろ」と脳を起こします。そして呼吸が再開する。
これが一晩に何十回、多い人では何百回も繰り返されます。
本人が気づけない理由
このとき目覚めるといっても、完全に目が覚めるわけではありません。
浅い覚醒なので、記憶に残りません。だから本人は「朝まで眠っていた」と思っています。
でも実際は、一晩中じゃまされ続けているのです。
これが「時間は寝ているのに、寝た気がしない」の正体です。
🔹 夜に出るサイン
大きないびき
とくに、いびきが途中で止まって、しばらくしてから「ガッ」と大きな音とともに再開するパターンは要注意です。
止まっている時間が、呼吸が止まっている時間です。
呼吸が止まる
家族が気づく、いちばんはっきりしたサインです。
何度もトイレに起きる
意外に思われるかもしれません。
呼吸が止まると体に負担がかかり、尿を作るはたらきに影響することがあります。
「年のせいでトイレが近くなった」と思っている方の中に、この病気が隠れていることがあります。
寝汗をかく
呼吸をしようとして体が頑張るため、汗をかきやすくなります。
何度も寝返りを打つ
苦しくて、体が楽な姿勢を探している状態です。
🔹 朝・日中に出るサイン
起きたときに口やのどが乾いている
口を開けて呼吸しているためです。
「毎朝のどが痛い」という方は、確認する価値があります。
起きたときに頭が痛い
呼吸が不十分だと、朝の頭痛につながることがあります。
日中の強い眠気
この病気の代表的なサインです。
- 会議中に眠ってしまう
- 食事中でもうとうとする
- 運転中に眠くなる
とくに運転は危険です。信号待ちで眠ってしまうようなことがあれば、早急に相談してください。
集中力が続かない・ミスが増える
睡眠がじゃまされ続けているため、脳が休めていません。
疲れが取れない
「休んでも回復しない」という感覚が続きます。
🔹 なりやすい人の特徴
よくある誤解を先に解いておきます。
「太っている人の病気でしょ」と思われがちですが、やせている人でもなります。

日本人はあごが小さく、後退している人が比較的多いとされます。
あごが小さいと、もともと空気の通り道がせまくなりやすいわけです。
そこに少し体重が増えたり、お酒を飲んだりすると、簡単にふさがってしまいます。
とくに注意したい組み合わせ
- 高血圧の治療をしていて、いびきをかく
- 糖尿病があり、日中の眠気が強い
- 最近5kg以上体重が増えて、いびきが大きくなった
こうした場合は、優先的に確認したほうがいいでしょう。
🩺 セルフチェックリスト
当てはまるものを確認してみてください。
- ☑ 家族に「いびきがうるさい」と言われる
- ☑ 家族に「息が止まっている」と言われたことがある
- ☑ いびきが途中で止まり、大きな音で再開すると言われた
- ☑ 朝起きたとき、口やのどが乾いている
- ☑ 朝起きたときに頭が痛いことがある
- ☑ 十分な時間寝ても、日中に強い眠気がある
- ☑ 会議中や食事中に、うとうとしてしまう
- ☑ 夜中に何度もトイレに起きる
- ☑ 起きたときに、疲れが取れていない感じがする
- ☑ 高血圧を指摘されている
判定の目安
| チェック数 | 目安 |
|---|---|
| 0〜1個 | 可能性は低めですが、気になるなら相談を |
| 2〜3個 | 一度、医療機関で相談することをおすすめします |
| 4個以上 | 早めに相談してください |
ただし、上の3つ(いびき・呼吸停止の指摘)のどれかに当てはまる場合は、個数に関係なく相談をおすすめします。
これらは、家族にしか気づけない重要なサインだからです。
🔹 一人暮らしの方はどうする?
「家族がいないから、いびきをかいているかわからない」
その場合は、次の方法があります。
いびき録音アプリを使う
スマホの録音アプリで、一晩の音を記録できます。
いびきが止まっている時間があるかを確認してみてください。
スマートウォッチの機能
血液中の酸素の状態を測れる機種なら、夜間に大きく下がっている箇所がないかの参考になります。
ただし、これらは診断ではありません。 あくまで気づくきっかけとして使ってください。
🔹 放置するとどうなるか
ここは、正直にお伝えする必要があります。
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、次のようなリスクが高まることが指摘されています。
- 高血圧
- 心臓や血管の病気
- 脳卒中
- 糖尿病
- 不整脈
呼吸が止まるたびに、体には負担がかかります。それが毎晩、何年も続くためです。
事故のリスク
日中の強い眠気は、交通事故につながります。
居眠り運転による重大事故の背景に、この病気があったというケースは少なくありません。
「眠いだけ」と軽く考えないでください。
🔹 検査の受け方
どこに行けばいい?
- 呼吸器内科
- 耳鼻咽喉科(鼻やのどの状態も見てもらえます)
- 睡眠外来
いびきや無呼吸なら呼吸器内科や耳鼻咽喉科、寝つけない悩みなら心療内科や精神科が相談先の候補になります。迷う場合は、かかりつけ医に相談しても構いません。
検査の流れ
1. 問診
いびきや眠気について聞かれます。家族からの情報があると役立ちます。
2. 簡易検査(自宅でできる)
機器を借りて帰り、自宅で一晩着けて眠るだけです。
指や鼻にセンサーを着けて、酸素の状態や呼吸を記録します。
3. 必要に応じて精密検査
より詳しく調べる場合は、脳波なども含めた検査を行います。1泊の入院が一般的です。
費用の目安
あくまで一般的な目安です。 保険の適用状況や医療機関によって変わります。
- 自宅での簡易検査:3割負担で3,000円前後
- 入院での精密検査:3割負担で2〜3万円程度
正確な費用は、受診先に確認してください。
🔹 気づくきっかけになった話
SSさん(50代・男性)の場合
指摘されたのは、家族旅行のときでした。
同じ部屋で寝た息子から、こう言われました。
「お父さん、息が止まってる時間があって怖かった」
SSさん自身は、まったく自覚がありませんでした。
当時の状態
- 日中の眠気は「年のせい」だと思っていた
- 夜中に2〜3回トイレに起きる(前立腺のせいだと思っていた)
- 朝、のどがカラカラ
- 血圧の薬を飲んでいる
すべて、当てはまっていました。
検査を受けたところ、中等症の睡眠時無呼吸症候群と診断されました。
SSさんの感想:「10年前から言われていたのに、ずっと聞き流していた」
TTさん(40代・女性)の場合
やせ型で、いびきもそれほど大きくない方でした。
きっかけ:日中の眠気がひどく、運転が怖くなったこと。
「太っていないから関係ない」と思っていましたが、検査を受けたところ診断がつきました。
原因はあごの形でした。もともと気道が狭くなりやすい骨格だったのです。
TTさんの感想:「体型だけで判断していたら、ずっと気づかなかった」
UUさん(30代・一人暮らし)の場合
指摘してくれる家族がいませんでした。
やったこと:スマホの録音アプリで一晩の音を記録。
再生してみると、いびきが止まる時間が何度もあることに気づきました。
一人暮らしの方は、この方法が有効です。
🔹 家族が気づいたときの伝え方
指摘する側になったときの、参考にしてください。
責める言い方は逆効果
「いびきがうるさくて眠れない」だけだと、本人は責められたと感じます。
心配として伝えるほうが届きます。
伝わりやすい言い方
- 「息が止まってる時間があって、心配になった」
- 「日中眠そうだから、一度調べてみない?」
- 「運転が心配だから」
録音を聞かせる
言葉で伝えるより、音を聞かせるほうが効きます。
自分のいびきや、呼吸が止まっている音を初めて聞いて、受診を決める方は少なくありません。
一緒に行く
受診に付き添うのも有効です。
家族からしか見えない情報(呼吸が止まる頻度など)を、医師に直接伝えられます。
❓ よくある質問
Q. いびきをかいていても、無呼吸でなければ大丈夫?
いびきそのものは、気道がせまくなっているサインです。
現時点で無呼吸がなくても、体重の増加などで進むことがあります。
Q. やせているのですが、可能性はありますか?
あります。あごの形や扁桃の大きさなど、体型以外の要因も関わります。
Q. お酒を飲んだ日だけいびきをかきます。
アルコールはのどの筋肉をゆるめるため、いびきや無呼吸を悪化させます。
毎日飲む習慣がある方は、とくに注意が必要です。
Q. 子どもでもなりますか?
なります。子どもの場合、扁桃やアデノイドが大きいことが原因になるケースがあります。
いびき、口を開けて寝ている、日中に落ち着きがないといった様子があれば、小児科や耳鼻咽喉科に相談してください。
Q. 検査は痛いですか?
簡易検査は、センサーを着けて眠るだけです。痛みはありません。
Q. 治療は一生続けるのですか?
原因や重症度によります。体重の減少で改善するケースもあります。
治療法は重症度によって変わるため、まず検査を受けることが先になります。
Q. 検査までの間、できることはありますか?
横向きで寝る、寝る前のお酒をやめるの2つは、すぐ試せます。
ただし、これで症状が軽くなっても、検査は受けてください。
Q. 検査は仕事を休む必要がありますか?
自宅でできる簡易検査なら、日常生活のまま行えます。
精密検査で入院が必要な場合も、1泊で済むことが一般的です。
Q. 診断されたら、必ず治療しないといけませんか?
軽症の場合、生活改善から始めることもあります。
方針は、症状と体の状態を踏まえて医師と相談して決まります。
Q. 子どものいびきが気になります。
子どもの場合、扁桃やアデノイドが大きいことが原因になるケースがあります。
小児科や耳鼻咽喉科に相談してください。
📝 まとめ
- ✅ 寝ている間に気道がふさがり、呼吸が止まる病気です
- ✅ 本人はほとんど気づけません。家族の指摘が最大の手がかり
- ✅ 夜のサインは大きないびき・呼吸停止・頻繁なトイレ
- ✅ 日中のサインは強い眠気・朝の頭痛・のどの乾き
- ✅ やせていてもなります。あごの形なども関係します
- ✅ 放置すると、高血圧や心臓の病気のリスクが高まります
「いびきがうるさい」と言われたことがあるなら、それは体からのサインです。
自宅でできる検査もあります。一度確認してみてください。
この記事は一般的な情報をお伝えするものです。診断は医療機関でのみ行えます。気になる症状がある場合は、必ず受診してください。
📚 参考文献・出典
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html - 厚生労働省 e-ヘルスネット「休養・こころの健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart - 厚生労働省 e-ヘルスネット「眠りのメカニズム」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-002.html - 厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠と生活習慣病との深い関係」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-008.html - 厚生労働省 e-ヘルスネット「睡眠と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart-summaries/k-02


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