理想の睡眠時間は何時間?年齢別の目安と自分に合う時間の調べ方

⑥ ビジネスに活きる睡眠

理想の睡眠時間は何時間?年齢別の目安と自分に合う時間の調べ方

✅ この記事の結論

  • 大人の目安は7時間くらい(だいたい6〜9時間の間におさまる人が多い)
  • でも必要な時間は人によってちがいます。大事なのは「日中つらくないか」
  • 自分に必要な時間は、連休に測ればわかります

「8時間寝るべき」 「いや、7時間がいちばんいい」 「6時間で足りる人もいる」

……どれが正しいの?と思いますよね。

結論から言うと、全員に当てはまる正解はありません

身長が人によってちがうように、必要な睡眠時間も人によってちがうからです。

この記事では、年齢ごとの目安と、自分に必要な時間を実際に測る方法を説明します。

⏰ 大人の目安は7時間くらい

国内外のガイドラインを見ると、だいたいこう書かれています。

  • 18〜64歳:7〜9時間
  • 65歳以上:7〜8時間

そして多くの調査で、体への負担がいちばん少ないのは7時間前後という結果が出ています。

ただし、これは「たくさんの人を平均したらこうなった」という数字です。

全員が7時間眠るべき、という意味ではありません。

たとえば、日本人の平均身長は男性で170cmくらいです。でも、160cmの人も185cmの人もいますよね。それと同じことです。

👨‍👩‍👧 年齢別の目安を見てみよう

必要な睡眠時間は、年齢とともに変わります。とくに子どもの時期は長く、成長するにつれて短くなっていきます。

表にすると、こうなります。

年齢必要な睡眠時間の目安
生まれて3か月まで14〜17時間
4〜11か月12〜15時間
1〜2歳11〜14時間
3〜5歳10〜13時間
小学生9〜12時間
中学生・高校生8〜10時間
大人(18〜64歳)7〜9時間
65歳以上7〜8時間

中学生に8〜10時間、と聞いて驚いた方も多いかもしれません。

朝6時半に起きるなら、逆算して夜8時半〜10時半には寝ている必要があります。部活と塾がある子には、なかなか厳しい数字です。

年をとると短くなるのは、自然なこと

年齢を重ねると、深い眠りが減り、夜中に目が覚めやすくなります。必要な時間そのものも、若い頃より短くなります。

ここでよくある勘違いがあります。

必要な時間が6〜7時間になっているのに、「若い頃と同じ8時間寝なきゃ」と思って夜9時に布団に入る。

すると、布団の中にいる時間が9時間なのに、眠れるのは6時間半。差の2時間半は「眠れない時間」になります。

そして「私は不眠症だ」と悩んでしまう。

でもこれは病気ではなく、布団に入るのが早すぎるだけというケースも少なくありません。

🔍 同じ7時間でも、足りる人と足りない人がいる理由

理由は主に3つです。

理由1|生まれつきの体質

必要な睡眠時間には、遺伝の影響があることがわかっています。

ごく一部には、短い睡眠でも平気な体質の人がいます。ただし、その割合はほんのわずかです。

自分で「ショートスリーパーだから」と言っている人の大半は、実際には足りていません。

理由2|その日の疲れ具合

引っ越しをした日の夜、いつもより長く眠った経験はありませんか。

激しく体を動かした日、大きなストレスがあった日、風邪から回復している最中。こういうときは、いつもより長い睡眠が必要になります。

必要な時間は、毎日同じではありません。

理由3|眠りの「質」

同じ7時間でも、中身がちがえば回復度もちがいます。

  • 朝までぐっすり眠った7時間
  • 5回目が覚めた7時間

これが同じわけがありません。

とくにいびきをかいて、途中で呼吸が止まっている場合は要注意です。時間は足りていても深く眠れず、日中に強い眠気が残ります。

「時間は取っているのに眠い」という方は、時間ではなく質の問題かもしれません。

🔎 自分に必要な時間を調べる3つの方法

ここからが実践編です。

方法1|連休に測る(いちばん正確)

まとまった休みが取れるときに試せます。

やり方

  1. 毎日同じ時間に布団に入る(いつもより少し早めでOK)
  2. 目覚ましはかけず、自然に目が覚めるまで眠る
  3. 起きた時間をメモして、睡眠時間を計算する
  4. これを4〜7日つづける

実際にやると、こんな感じになります。

就寝起床睡眠時間
1日目23:008:409時間40分
2日目23:008:209時間20分
3日目23:007:308時間30分
4日目23:006:507時間50分
5日目23:006:557時間55分
6日目23:006:457時間45分

最初の2〜3日は長く眠ります。これは、それまでの寝不足を返している時間です。

そして4日目あたりから、だいたい同じ時間で落ち着きます。

この例なら、必要な睡眠時間は7時間50分くらいということになります。

方法2|休日の睡眠時間と比べる(かんたん版)

連休が取れない方向けの簡易版です。

平日と休日の睡眠時間を1〜2週間メモして、差を見るだけです。

平日と休日の差判定
30分以内足りている可能性が高い
1時間くらい少し足りていない
2時間以上はっきり足りていない

平日は6時間、休日は9時間。 こういう方は、平日に3時間足りていないということです。

休日に長く眠るのは、体が「足りない分を返させてくれ」と言っているサインだと思ってください。

方法3|日中の様子で判断する(今すぐできる)

数字より確実なのが、日中のコンディションです。

当てはまるものがないか、確認してみてください。

  • 目覚ましを止めてから、あと1回はスヌーズしないと起きられない
  • 午前中の会議で眠くなる
  • 電車で座ると、ほぼ寝てしまう
  • 休日は平日より2時間以上長く眠る
  • 同じ行を何度も読み返してしまう
  • 些細なことでイライラする
  • 「あれ、何しに来たんだっけ」が増えた
  • 最近よく風邪をひく

3つ以上当てはまるなら、今の睡眠時間は自分に合っていない可能性があります。

反対に、目覚ましなしでもだいたい同じ時間に起きられて、午前中に眠くならないなら、時間としては足りていると考えていいでしょう。

🛠️ 睡眠時間を増やしたいときのコツ

「7時間必要なのはわかった。でも、そんな時間はない」

いちばん多い悩みだと思います。現実的な進め方を紹介します。

いきなり1時間増やそうとしない

いつも6時間の人が、急に7時間寝ようとしても眠れません。

眠くないのに布団に入って、天井を見つめる時間が増えるだけです。そして「やっぱり無理だ」となります。

15分ずつ、1〜2週間かけて早めていきましょう。

6時間 → 6時間15分 → 6時間30分。これなら体が慣れていきます。

「起きる時間」は動かさない

体内時計は朝の光でリセットされます。起きる時間を変えるとリズム全体が崩れます。

だから、起きる時間はそのままで、寝る時間だけを早めるのが正解です。

増やす時間は、すでに手元にある

睡眠時間を増やす原資は、たいてい寝る前の2時間に隠れています。

  • なんとなく見ているSNS・動画
  • 帰宅後のだらだらした時間
  • つけっぱなしのテレビ

1週間だけ、寝る前2時間に何をしていたかメモしてみてください。

「動画を見るつもりが、気づいたら1時間半たっていた」

こんな時間が、意外と見つかります。

どうしても無理な時期は、昼寝で乗り切る

繁忙期や育児中など、まとまって眠れない時期もあります。

そのときは日中の15〜20分の昼寝が助けになります。

  • 時間帯はお昼から15時まで(夕方以降は夜に影響します)
  • 長さは20分以内(それ以上寝ると、起きたときにだるくなります)
  • 横にならず、椅子にもたれる姿勢のほうが起きやすいです

通勤電車で座れる方は、その15分を昼寝にあてるのもおすすめです。

ただし昼寝はあくまで応急処置。夜の睡眠のかわりにはなりません。

🔎 実際に測ってみた人の例

「連休に測る」と言われても、イメージしにくいと思います。

3人のケースを見てみましょう。

ケース1|30代・会社員のAさん

平日は6時間、休日は9時間眠っていました。

連休5日間、目覚ましをかけずに測定。

睡眠時間
1日目9時間40分
2日目9時間20分
3日目8時間30分
4日目7時間50分
5日目7時間55分

Aさんに必要なのは、7時間50分前後とわかりました。

平日6時間だったので、毎日約2時間足りていなかったことになります。

Aさんはその後、寝る時間を15分ずつ早めて、3か月かけて7時間まで延ばしました。

「午後の会議で眠くならなくなった」のが、いちばん実感した変化だったそうです。

ケース2|50代・自営業のBさん

平日も休日も6時間半で、差はほとんどありませんでした。

測ってみると、3日目以降は6時間半前後で安定。

つまり、Bさんは6時間半で足りているタイプでした。

「7時間寝なきゃ」と思って早く布団に入っていたのですが、そのせいで眠れない時間が増えていたのです。

布団に入る時間を30分遅らせたら、かえって寝つきがよくなりました。

ケース3|40代・子育て中のCさん

夜中に子どもに起こされるため、まとまって測れませんでした。

そこで、「合計時間」で記録する方法に変えました。

夜10時に就寝、深夜2時に30分起きる、5時に20分起きる、7時起床。この場合、合計は約8時間です。

細切れでも、合計を把握することには意味があります。

Cさんの場合、合計7時間半は取れていました。それでも日中つらかったのは、細切れによって深い眠りが減っていたためと考えられます。

このケースでは、時間を増やすより「まとめて眠れる日を週に1日つくる」ことを優先しました。

❓ よくある質問

Q. 長く寝れば寝るほどいいの?

いいえ。短すぎても長すぎても健康リスクが上がる、というデータが多くあります。睡眠時間と健康リスクの関係は、短すぎても長すぎてもリスクが上がるU字型を描くことが多く報告されています。

Q. 何時に寝るのがベスト?

「何時に寝るか」より、「毎日同じ時間に寝起きするか」のほうが大事です。

Q. 3時間+4時間に分けて、合計7時間でもいい?

分けて寝ると、深い眠りとレム睡眠のバランスが変わります。まとめて7時間眠れるなら、そのほうが望ましいです。

Q. しっかり寝ているのに日中眠いのはなぜ?

眠りの質に問題がある可能性があります。いびきを指摘されたことがある方は、とくに要チェックです。

そのほか、貧血や甲状腺の不調などが隠れていることもあります。長く続く場合は受診を検討してください。

Q. 連休がなくても測れますか?

土日2日間でも、ある程度の傾向はつかめます。

ただし最初の1〜2日は寝不足を返している時間なので、正確に知りたいなら4日以上が理想です。

Q. 測っている間、昼寝をしてもいいですか?

測定中は避けてください。 昼寝をすると夜の睡眠時間が短くなり、正確な値が出ません。

Q. 季節によって必要な時間は変わりますか?

変わる人もいます。冬は長く、夏は短くなる傾向を感じる方がいます。

「1年を通じて固定の数字」ではないと考えておいてください。

Q. 目覚ましなしだと不安で眠れません。

その場合は、普段より2時間遅い時刻に「保険の目覚まし」をかけてください。

たとえば普段7時起きなら9時にセット。多くの場合、その前に自然に目が覚めます。

📝 まとめ

  • ✅ 大人の目安は7時間くらい。ただし人によってちがう
  • ✅ 判断基準は時間の数字より、日中つらくないかどうか
  • ✅ 自分に必要な時間は、連休に目覚ましなしで4〜7日測るとわかる
  • ✅ ふだんは「休日と平日の差」と「午前中の眠気」で判定できる
  • ✅ 増やすときは15分ずつ。起きる時間は動かさない

まずは1週間、寝た時間と起きた時間をメモするところから始めてみてください。

自分の現在地がわかると、次に何をすればいいかが見えてきます。

この記事は一般的な情報をお伝えするものです。十分な睡眠時間をとっても日中の眠気が改善しない場合は、医療機関にご相談ください。

📚 参考文献・出典

  1. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット「休養・こころの健康」
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart
  3. 厚生労働省 e-ヘルスネット「眠りのメカニズム」
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-002.html
  4. 総務省統計局「令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果」
    https://www.stat.go.jp/data/shakai/2021/kekka.html
  5. 厚生労働省 e-ヘルスネット「健やかな睡眠と休養」
    https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart-summaries/k-01

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