睡眠時間は結局何時間がベスト?「8時間神話」の真実と自分に合う時間の見つけ方|睡眠の質を上げる科学【第2回】

⑥ ビジネスに活きる睡眠

はじめに:「で、何時間寝ればいいの?」に答えます

第1回、おつかれさまでした🙌 「睡眠は長さじゃなくて”質”だよ」「睡眠休養感(=しっかり休めた感覚)が大事だよ」という話を、たっぷりしましたね。

スマホの充電にたとえたり、レム睡眠とノンレム睡眠の”90分の波”の話をしたり。覚えていますか?

……で、ここまで読んだあなたの頭の中には、たぶん今、こういう疑問がぷかぷか浮かんでいるはずです👇

「いや、質が大事なのはわかった。でも結局、何時間寝ればいいわけ?

はい、その質問、絶対くると思っていました😏 むしろ、これを聞かずにはいられませんよね。

だって、睡眠の話で誰もがいちばん知りたいのは、究極的にはこの一点なんですから。

そして、おそらく多くの人が、一度はスマホでこう検索したことがあるはずです。

「睡眠時間 理想」「睡眠 何時間がベスト」「睡眠 短い 大丈夫」……。ちなみに、これを深夜のベッドの中で検索している時点で、すでにちょっと睡眠を削っている、という切ないオチがついていることも多いのですが🌙 ドキッとした方、正直に手を挙げてください🙋

世間にはとにかく、いろんな説が飛び交っています。

「人間は8時間寝るべき」「いや6時間で十分だ」「ナポレオンは3時間しか寝なかったらしい」「ショートスリーパーになれば人生が実質2倍になる!

」……。SNSを見れば「朝活のために4時起き!

」みたいな投稿もあれば、「人生の3分の1は睡眠、たっぷり寝るべき」という主張もある。いったい何を信じればいいのか、さっぱり分かりませんよね😵

そこで第2回は、この国民的な疑問にズバッと答えます。結論を先に言ってしまうと、こうです👇

🎯 「万人に共通の正解の睡眠時間」は存在しない。でも、ちゃんとした”目安”と”自分の正解の探し方”はある。

……ちょっと拍子抜けしました?「なんだ、結局人それぞれかよ」と思いました?

でも、ここで「人それぞれだから自分で頑張ってね、おしまい!

」と冷たく丸投げして終わったりは絶対にしません。

それじゃこの記事を読む意味がないですもんね。

ちゃんと、科学的に裏づけられた目安と、あなた自身にぴったりの睡眠時間を見つける具体的な方法まで、最後まで責任を持ってお渡しします。

今日の話を読み終えるころには、ネットに転がっている「○時間がベスト!

」という情報に、もう振り回されなくなっているはずです。それでは今日も、肩の力を抜いて、ゆるっといきましょう🚀


1. まず結論:成人は「6時間以上」が目安⏰

もったいぶってもしょうがないので、いちばん知りたい答えから先に出します。

2024年に厚生労働省が発表した最新版「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、こう示されています👇

📋 成人は、6時間以上を目安に睡眠時間を確保しましょう。

もう少しちゃんと言うと——

📋 成人では6〜8時間が適正な睡眠時間と考えられ、少なくとも1日6時間以上の睡眠を確保できるよう努めることが推奨されています。

ここでひとつ、豆知識を。このガイドは、もともと2014年につくられた古い指針を、約10年ぶりに最新の科学的知見でアップデートしたものなんです。

平成26年度の「健康づくりのための睡眠指針2014」から約10年が経過し、睡眠に関する新たな科学的知見が蓄積されてきたことから、見直して策定されたのがこの2023年版。

つまり、私たちが今手にしているのは、現時点で日本の公的機関が出している、いちばん新しくて信頼できる目安ということです。怪しい健康本やSNSのインフルエンサーより、はるかに頼りになります💪

さて、このガイドのおもしろいところは、年代によって目安が違うこと。せっかくなので全部並べてみましょう👇

👥 年代推奨される睡眠時間の目安
👶 1〜2歳11〜14時間
🧒 3〜5歳10〜13時間
🎒 小学生9〜12時間
📚 中高生8〜10時間
🧑‍💼 成人6時間以上
👴 高齢者寝床にいる時間が8時間を超えないように

小学生は9〜12時間、中高生は8〜10時間、成人は6時間以上を目安に睡眠時間を確保するよう推奨されています。

この表、じっくり眺めると、ひとつの法則が見えてきます。

そう、年齢が上がるほど、必要な睡眠時間は短くなっていくんです。

赤ちゃんが1日の半分近く寝ているのは、決してナマケモノだからではなく😴、それだけ体と脳が猛烈なスピードで成長している証拠。

眠っている間に、体をつくり、脳の配線を組み立てているわけです。

だから「寝る子は育つ」は、文字どおり本当のこと。

逆に大人になって成長が落ち着くと、そこまで長い睡眠は必要なくなる、というわけですね。

ところで、この表の中で、ぜひ立ち止まってほしい行があります。

「中高生は8〜10時間」のところです。

学生のみなさん、あるいは学生のお子さんがいる親御さん……正直に答えてください。

これ、達成できていますか?😅 部活で朝練、夜は塾、帰ってきてからスマホ、気づけば深夜……。

現実には、6時間前後しか寝ていない中高生がものすごく多いはずです。

本来、人生でいちばんたっぷり眠るべき世代が、実際にはいちばん眠れていない。

これは日本社会のけっこう深刻な問題で、後の回でも触れていきますが、まずは「あ、自分(うちの子)、本来の目安にぜんぜん届いてないんだ」と気づくだけでも大きな一歩です。


2. 「8時間神話」の正体:なぜ8時間と言われてきたのか🤔

さて、ここで素朴な疑問が湧きます。「成人は6時間以上が目安」と国が言っているなら、長年あれだけ信じられてきた「8時間寝なきゃダメ」説は、いったい何だったのでしょう?🤨

実を言うと、「8時間睡眠」には、確固たる絶対的な科学的根拠があるわけではありません。

「なんとなくキリのいい数字」「大勢を平均するとそのくらいになる」といった理由で、いつのまにか世間に定着した、いわば“みんなが信じてきた、なんとなくの常識”なんです。

血液型占いや「風邪をひいたら卵酒」みたいなもの、と言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、それくらい「根拠より習慣で広まった数字」という側面があります。

もちろん、誤解しないでください。8時間がベストな人は、世の中にたくさんいます。

8時間しっかり寝てこそ本領を発揮できる、という人を否定する話ではまったくありません。

問題なのは、「8時間寝なきゃ健康に悪いんだ」と思い込みすぎて、かえって自分を追い込んでしまう人が出てくることなんです。

具体的なシーンで考えてみましょう。たとえば、本当は7時間でスッキリ目覚めるタイプのAさんがいるとします。

そのAさんが、「世間では8時間がいいって言うから、私も8時間寝なきゃ!

」と決意して、いつもより1時間早く、まだ眠くないのにベッドに入ったとします。さあ、何が起きるでしょう?

🛏️ 眠くないのに布団でゴロゴロ…… ⏰ 「早く寝なきゃ、明日のために……」と焦る…… 😣 焦れば焦るほど目が冴える…… 😭 結局1時間も寝つけず、「私、不眠症かも」と落ち込む……

……完全に悪循環ですよね。これ、「8時間信仰」が生み出した、典型的な自爆パターンなんです。

本人は良かれと思って早寝したのに、かえって睡眠の質を下げ、寝つきの悪さという新しい悩みまで抱えてしまう。

実際、こんな指摘があります。

🛏️ 体が必要とする以上に長く寝床で過ごすと、寝つきが悪くなったり、途中で目が覚める回数が増えたり、熟眠感が減ったりして、かえって眠りの質が下がることがあります。

整理すると、こういうことです👇

状況結果
😴 8時間必要な人が、8時間寝る◎ 大正解
😊 7時間で十分な人が、7時間寝る◎ これも大正解
😣 7時間で十分な人が、無理に8時間ベッドにいる✕ かえって逆効果

つまり、「8時間」という数字そのものが偉いわけではなく、自分に合った時間こそが正義なんですね。

数字の奴隷になってはいけない。これが、今日ひとつめの大事なポイントです📝 体は数字を知りません。

体が知っているのは「足りているか、足りていないか」だけなんです。

ちなみに、「最近、昔ほど長く眠れなくなったなあ」と感じている方はいませんか?

実はこれ、脳波を測った研究でもはっきり裏づけられています。

年齢とともに「実際に眠れる時間」そのものが、こんなふうに減っていくんです👇

👤 年齢実際に眠れる時間の目安
🧑 15歳前後約8時間
🧑‍💼 25歳約7時間
👨 45歳約6.5時間
👴 65歳約6時間

15歳と65歳では、なんと2時間も違う。これは老化でも、体の不調でもなく、ごくごく自然な変化です。

年配の方が朝早くにパッと目が覚めてしまうのも、これが大きな一因。「年をとって早起きになった」のは、体が壊れたわけじゃなく、ちゃんと設計どおりに変化しているだけ、ということです👴 だから「若い頃みたいに寝られない」と落ち込む必要は、まったくありませんよ😊


3. 「ショートスリーパー」に憧れる前に知ってほしいこと⚠️

ここで、第1回でこっそり振っておいた伏線を、ひとつ回収します。

「ショートスリーパーになれば、人生で使える時間が増えるのでは?」という、なんとも夢のある話です。

考え方はシンプルで、魅力的です。睡眠時間を削れば、その分だけ自由に使える時間が増える。

もし1日4時間睡眠で平気な体になれたら、普通の人より毎日4時間も得をする計算。

1年なら約1460時間、人生80年なら……と考えると、もう一生分まるごとお得な気さえしてきますよね💭 「ナポレオンは3時間睡眠で世界を相手にした」「偉人はみんな短眠だった」みたいな逸話も、この憧れをさらに後押しします。

でも、ここははっきり、心を鬼にして言わせてください。

「短時間睡眠でも本当に健康でいられる人」は、ごくごく一部の例外です。

体質的に、本当に短い睡眠で足りる人——いわゆる”真のショートスリーパー”は、たしかに存在するとされています。

ただしそれは、特殊な遺伝子を持つ、人口のほんのわずか(一説には数百人に1人以下とも)。宝くじに当たるような確率です🎰 そして残酷な事実として、「自分はショートスリーパーだ」と思い込んでいる人の大多数は、本物ではなく、ただの慢性的な睡眠不足——つまり、第1回でやった「自分では気づいていないだけ」の状態なんです😱

ここで、第1回のあの怖い実験を思い出してください。

Van Dongenの研究です。睡眠が足りていなくても、本人の「眠い」という自覚はあまり変わらないのに、作業のミスだけはどんどん増えていく、というあの話。

「自分はショートスリーパーだから少ない睡眠で平気」と胸を張っている人の多くが、まさにこの落とし穴にハマっている可能性が高い。

本人だけが「平気」と感じていて、体と脳は静かに悲鳴をあげている、という状態です。

そして、睡眠不足を甘く見てはいけない、ちょっとゾッとするデータがあります👇

⚠️ 睡眠時間が足りない人(6時間未満)は、足りている人(6時間以上)と比べて、死亡するリスクが1.12倍という研究結果すらあります。

「1.12倍くらい、たいしたことなくない?」と思うかもしれません。

でも、これは「睡眠が短いだけで」死亡リスクが1割以上も上がる、という話。

たかが寝不足、で済ませていい数字ではありません。

さらに、睡眠不足が慢性化すると、さまざまな病気のリスクが上がることがわかっています👇

😱 睡眠不足で上がるものどうなる?
🍔 肥満リスク食欲ホルモンが乱れて太りやすく
🩸 高血圧リスク血管が休めず負担がかかる
🍚 糖尿病リスク血糖コントロールが悪化
❤️ 心疾患リスク心臓・血管の病気につながる
⏳ 死亡率全体として高まる

睡眠不足が慢性化すると、肥満や高血圧、心疾患などの発症リスクが上昇し、死亡率にも影響するとされています。

睡眠を削って手に入れた「自由な時間」。その代償が、肥満や高血圧、そして健康寿命そのものだとしたら……どう考えても割に合いませんよね😢 「時間がほしい」という気持ちは痛いほどわかります。

私だって1日が30時間あればいいのにと思います。

でも、その時間を睡眠から借りてはいけない

睡眠は、いちばん手を出してはいけない、最後の聖域なんです。時間をつくるなら、まずは別のところ(だらだらスマホやテレビ)から削りましょう📱


4. ここが核心:「時間」と「休養感」のダブルで効く💪

さあ、ここからが第2回のいちばんおいしい、メインディッシュです🍰 第1回でじっくりやった「睡眠休養感(=しっかり休めた感覚)」と、今回の主役「睡眠時間」。

この2つが組み合わさったとき、いったい何が起きるのか。

それをみごとに示した、すごく示唆に富む研究を紹介します。

ある研究で、「睡眠時間の長さ」と「睡眠休養感のあるなし」を掛け合わせて、それぞれのグループの死亡リスクを比べました。

基準(リスク1.0倍)を、睡眠時間がまあまあ(5.5〜6.9時間)で、なおかつ休養感がある人とします。すると、結果はこうなりました👇

睡眠時間が短く(5.5時間未満)、睡眠休養感がない人(疲れが取れていない人)は、死亡リスクが1.5倍高い結果でした。

逆に、睡眠時間が長く(6.9時間以上)、睡眠休養感がある人(疲れが取れている人)は、死亡リスクが0.55倍と低くなりました。

表にすると、一目瞭然です👇

睡眠の状態死亡リスク(相対)ひとことで
⏱️長め(6.9h〜) × 😌休養感あり0.55倍理想形!🏆
⏱️まあまあ(5.5〜6.9h) × 😌休養感あり1.0倍(基準)まずまず
⏱️短め(〜5.5h) × 😣休養感なし1.5倍要注意⚠️

いちばん上といちばん下を比べると、リスクはなんと約3倍近い差(0.55倍 vs 1.5倍)。

これ、ものすごく大事なことを教えてくれています。

「時間」と「休養感」は、どちらか片方だけじゃなく、両方そろってこそ本領を発揮するということです。

研究のまとめでも、こう結論づけられています。

十分な時間、疲れが取れたと自分が感じる睡眠を取ることが重要である。

ここで、ハッとしてほしいんです。第1回の「質(休養感)」の話と、第2回の「量(時間)」の話。

これ、実は対立する話じゃなかったんですよ。

「質か、量か」という二択じゃない。質も、量も、なんです。

たとえるなら、車の両輪🚗 右の車輪(時間)だけが大きくても、左の車輪(休養感)だけが立派でも、車はまっすぐ進めずグルグル回るだけ。

両方がバランスよくそろって、はじめてまっすぐ前に進める。

あるいは、料理にたとえてもいい。どれだけ高級な食材(時間)をそろえても、調理の腕(質)がゼロなら美味しくならないし、腕(質)が一流でも食材(時間)が足りなければお腹は満たされない🍳 両方そろって、はじめて満足のいく一皿になるわけです。

だからこそ、この連載が目指すゴールも、ここにはっきり置きます👇

🎯 「自分に必要な時間」をきちんと確保しつつ、「休めた感覚」も高める。欲張りに、両取りを目指す。

「どっちか頑張ればいいや」ではなく、「どっちも、ちょっとずつ良くしていこう」。これがいちばんの近道なんです。


5. 「自分にぴったりの睡眠時間」の見つけ方🔍

「6時間以上が目安、でも個人差がある」——ここまで読んで、あなたは当然こう思っているはずです。

「で、結局、この私にとっての正解は、何時間なの?」と。

ごもっともです。そして、その答えは……残念ながら、この記事には書けません。

なぜなら、ガイド自身がこう言っているからです。

6時間未満で十分な人もいれば、8時間以上必要な人もいるなど、適正な睡眠時間には個人差があるため、日中の眠気や睡眠休養感に応じて、必要な睡眠時間を自ら探る必要がある。

キーワードは「自ら探る」。つまり、最終的には自分で見つけるしかないんです。

「なんだ、結局自分で探すのか」とがっかりしないでください。

大丈夫、探し方には、ちゃんとコツがあります。

そのコツとは——チェックする場所を間違えないこと。

多くの人は「何時間寝たか」という時計ばかり気にします。

でも、本当に見るべきは時計じゃない。昼間のあなた自身の状態なんです。あなたの体が「足りてる/足りてない」を、いちばん正直に教えてくれるのは、夜ではなく昼の様子だからです👇

🔍 自分に合っているかのチェックリスト判定
☀️ 朝、目覚ましが鳴る前後に、わりとスッキリ起きられる✅ 足りているサイン
😪 日中、仕事や授業に支障が出るほどの強い眠気はない✅ 足りているサイン
🍱 昼食後、意識が飛ぶレベルでガクッと眠くなる⚠️ 足りないかも
⏰ 休日になると、いつもより2時間以上長く寝てしまう⚠️ 平日が足りない証拠
😤 最近、些細なことでイライラしたり落ち込んだりが増えた⚠️ 睡眠不足のサインかも

特に、声を大にして注目してほしいのが「休日の寝坊」です。

これ、自分の睡眠が足りているかを測る、最高にわかりやすいバロメーターなんです。

💡 週末に長く寝てしまう(寝だめ)習慣は、平日の睡眠不足のサインです。

考えてみれば当たり前ですよね。本当に平日の睡眠が足りているなら、休日だって自然と同じくらいの時間に目が覚めるはず。

なのに休日に限って昼まで寝てしまうのは、体が「平日に足りなかった分を、今返してくれ!」と必死に訴えているから。

この「足りなかった分の睡眠」が積み重なっていく現象には、ちゃんと名前がついています。

「睡眠負債」です💸 借金、というネーミングがなんとも生々しいですが、まさにそのとおりで、慢性的な睡眠不足が続くと、日々の睡眠不足が借金のように積み重なる「睡眠負債」が蓄積し、疲労感や日中の眠気が抜けにくくなります。

睡眠負債の本当に怖いところは、お金の借金と同じで、自分では気づかないうちに、静かに膨らんでいくことです。

「たった30分の寝不足くらい平気」と思っていても、毎日30分なら1週間で3.5時間、1ヶ月で約15時間分の借金。

これがある日、どっと利子つきで請求されて、「最近なんだか、ずーっと体が重い」「休んでも休んでも疲れが抜けない」という状態になる。その正体不明のだるさ、実は睡眠負債の取り立てだったりするんです👻

🛏️ 自分の適正時間を知る、ちょっとした実験: もし長めのお休みが取れるなら、数日間「目覚ましをかけずに、自然に目が覚めるまで寝る」生活を試してみてください。

最初の1〜2日は、たまった睡眠負債の返済でやたら長く寝てしまいます(これは正常な反応です)。

でも、負債を返し終えると、だんだん毎日決まった時間に自然と目が覚めるようになってきます。

その、落ち着いてきたときの睡眠時間こそ、あなたの体が本当に必要としている適正な時間の目安です😊 ネットのどんな記事よりも正確な、あなただけの答えがそこにあります。(ただし「寝だめのしすぎ」には別の落とし穴があるので、次の章も必ず読んでくださいね⚠️)


6. 「寝だめ」の落とし穴:社会的時差ボケ🌍

「なるほど、平日に睡眠が足りないなら、休日にたっぷり寝て一気に取り返せばいいんだ!

」——ここまで読んで、そう思った方。気持ちは痛いほどわかります。

週末の昼まで寝るあの幸福感、何物にも代えがたいですよね😴 でも、ここに大きな、そして見落としがちな落とし穴があるんです。

休日に昼過ぎまで寝る生活を続けると、せっかく整えようとしている体内時計が、大混乱を起こしてしまいます。

この現象には、おしゃれな(?)名前がついています。「社会的時差ボケ(ソーシャル・ジェットラグ)」です✈️

🌍 寝だめで休日の起床時刻が大きく遅れると、体内時計が混乱し(社会的時差ボケ)、健康を損なう危険性もあります。

ピンとこない方のために、具体的に説明しますね。

たとえば、平日は毎朝7時に起きている人が、休日は昼の12時まで寝るとします。

この差、なんと5時間。体内時計にとって、この5時間のズレは——毎週末、わざわざ飛行機で5時間の時差がある国へ旅行して、時差ボケになって帰ってくるのと、ほぼ同じことなんです🌐 ハワイあたりに毎週末トリップしている感覚、と言えば伝わるでしょうか(楽しそうに聞こえますが、体はぐったりです)。

そして、これが「日曜の夜、なぜか寝つけない」「月曜の朝が、この世の終わりみたいにつらい」という、あの有名な現象の正体のひとつでもあります。

世間でいう「サザエさん症候群」や「ブルーマンデー」ですね😱 あれは、単に「仕事や学校が憂うつだから」という気分の問題だけではないんです。

休日に夜更かし&朝寝坊したせいで、体内時計が物理的にうしろにズレてしまい、日曜の夜に体が「まだ眠る時間じゃない」と判断している——そういう生理的な裏づけがある現象なんです。

気合いが足りないわけでも、心が弱いわけでもありません。

じゃあ、休日はどうすればいいのか。「一切寝坊するな」なんて、そんな修行僧みたいなことは言いません😌 完全にゼロにする必要はないんです。守ってほしい目安は、これだけ👇

💡 休日の寝坊は「平日の起床時刻+1〜2時間」までにとどめる。

寝だめは「平日の睡眠時間+1時間」程度に抑えるのがおすすめです。

平日が7時起きなら、休日もせいぜい8時〜9時には起きる。

それ以上はグッとこらえる。たったこれだけで、体内時計の大混乱をかなり防げます。

「もっと寝たい」気持ちを少しだけ我慢する見返りに、日曜夜の寝つきの良さと、月曜朝のつらさの軽減が手に入る。

なかなか良い取引だと思いませんか?😊 どうしても眠いなら、長い朝寝坊より、昼に短い仮眠をとるほうがずっと効果的です(仮眠の技術は、第15回でたっぷりやります!)。


7. 今日からできる、たったひとつのこと📝

さて、第2回の宿題です。理屈だけで終わらせず、今日から手を動かせるアクションをお渡しします👇

📒 1週間、「寝た時間・起きた時間・昼間の眠気」をメモしてみる。

スマホのメモアプリでも、手帳の隅でも、なんでもOK。完璧じゃなくていいんです。たとえば、こんなざっくりした記録で十分👇

6/25(水) 就寝23:30 / 起床7:00(6.5h) / 昼間の眠気★★★(かなり強い)
6/26(木) 就寝22:45 / 起床7:00(8.25h)/ 昼間の眠気★(ほぼなし、絶好調)
6/27(金) 就寝24:30 / 起床7:00(6.5h) / 昼間の眠気★★★(午後ぼーっと)
6/28(土) 就寝24:00 / 起床9:30(9.5h) / 昼間の眠気★(休めた感じ)

たったこれだけのメモから、驚くほどいろんなことが見えてきます。「あ、自分は8時間寝た木曜は明らかに調子がいいぞ」「6時間半の日は、決まって午後に眠気が襲ってくるな」「土曜にこんなに寝てるってことは、平日かなり負債がたまってるんだな」——こんなふうに、自分専用のデータが浮かび上がってくるんです📊

ここがいちばん大事なところ。世の中にあふれる「○時間がベスト!

」という情報は、あくまで他人の平均値にすぎません。

でも、あなたが本当に知りたいのは、平均的な誰かの話じゃなくて、この私には何時間が必要なのかでしょう?

だったら、答えは外(ネット)ではなく、自分の中(自分のデータ)にしかないんです。

たった1週間メモするだけで、世界中のどんな睡眠記事よりも正確な「あなた専用の答え」が手に入ります。

しかも、これって意外と楽しいんですよ😊 ゲームで自己ベスト記録を更新していく感覚に近い。

「昨日は★1つ(絶好調)だった!」みたいに、ちょっとした自分観察ゲームだと思って、ゆるーく続けてみてください。

気負わず、つけ忘れた日があっても気にしない。それくらいの軽さがちょうどいいです。

(※もっと本格的にやってみたい人へ:厚生労働省が「睡眠ガイド2023」準拠の無料の「睡眠チェックシート」を公開しています。自分の睡眠を点数化して振り返れる優れものなので、興味があれば参考文献のリンクからのぞいてみてください📋)


おわりに:数字に振り回されないために✨

第2回、最後までおつかれさまでした🎉 ボリュームたっぷりでしたが、ついてきてくれてありがとうございます。今日のポイントを、ぎゅっと一枚にまとめます👇

🔑 今日のまとめひとことで言うと
成人の目安6時間以上(ただし、個人差が大きい)
8時間神話絶対ではない。自分に合う時間こそが正解
ショートスリーパー本物はごく一部。多くは気づいていない睡眠不足
最強の組み合わせ「十分な時間」×「睡眠休養感」の両取り
自分の適正の探し方時計より、昼間の眠気・休日の寝坊を見る
寝だめアリ。ただし+1〜2時間まで(時差ボケ注意)
今日のアクション1週間、睡眠と眠気をメモする📒

今日、何よりも伝えたかったのは、「○時間」という数字に、振り回されないでほしいということです。

8時間でも、7時間でも、6時間半でも——あなたが昼間をスッキリ過ごせて、朝に「あー、よく休めた」と感じられるなら、それがあなたにとっての満点の睡眠です💮 他人の正解は、あなたの正解とは限らない。

数字はあくまで目安、主役はいつだって”昼間のあなたの調子”なんです。

第1回でやった「質(睡眠休養感)」と、第2回でやった「量(睡眠時間)」。

これで、睡眠を語るうえでの2本の土台が、しっかりそろいました🏗️ 次回からは、いよいよこの土台の上に、具体的な攻略テクニックを積み上げていきます。お楽しみはここからです💪

次回 第3回は「寝不足が脳と体に与える本当のダメージ」

「ちょっと寝不足なだけでしょ?」と睡眠をなめている人にこそ、読んでほしい回です。

睡眠を削ると、あなたの体の中で具体的に何が起きるのか——正直、ちょっと怖い話もします。

でも、これを知ると「明日からは本気でちゃんと寝よう」と、心の底から思えるはずです😴 こわいけど、ためになる回。お楽しみに!

それでは今夜も、明日の朝のためにカーテンを少しだけ開けて——おやすみなさい🌙 良い眠りが、あなたに訪れますように。


💊 大切なお願い:「毎晩6時間以上はちゃんと寝ているのに、日中の眠気がどうしてもつらい」「どれだけ寝ても、休まった感覚がまるでない」という場合は、生活習慣以外の原因——たとえば睡眠時無呼吸症候群などの病気が、背後に隠れていることもあります。睡眠休養感の低下がある場合は、生活習慣の改善が重要ですが、病気が潜んでいる可能性にも留意しましょう。「ただの寝不足」と自己判断せず、気になるときは無理せず医療機関に相談してくださいね。それも、立派な睡眠改善の一歩です😌


📚 参考文献(すべて閲覧可能な、国内の信頼できる記事です)

  1. 厚生労働省「睡眠対策」(健康づくりのための睡眠ガイド2023) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html
  2. 日本経済新聞「成人は睡眠6時間以上を推奨 健康づくりで厚労省ガイド」 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF2191D0R21C23A2000000/
  3. 睡眠プライマリケアクリニック「健康づくりのための睡眠ガイド(2023)の内容を詳細に紹介!(その2)成人期の睡眠」 https://sleep1.jp/https-sleep1-jp-sleep_guides_no2/
  4. アリナミン製薬 健康サイト「睡眠時間は何時間が理想?年齢別の目安や睡眠の質を向上させる方法を紹介」 https://alinamin-kenko.jp/navi/navi_kizi_optimal-sleeping-time.html
  5. 一般社団法人日本スポーツ栄養協会(SNDJ)「『成人』『高齢者』『こども』それぞれの睡眠について推奨事項を提示 厚労省『健康づくりのための睡眠ガイド2023』」 https://sndj-web.jp/news/002764.php

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